多毛、多方向ラバー系ルアーをより楽しむ為のワンポイント
ここ数年、イモケムシやクリーピーエッグラバー、サイコロラバーといった多毛、多方向ラバー系ルアーが流行し、今やすっかり定番化しました。

スモールマウスレイクにおいては、4〜5年前?に、まず野尻湖でイモケムシが流行し、野尻湖の一般アングラーの方から桧原湖にも輸入されて、瞬く間に桧原湖でも流行した…という流れだったと記憶しています。

流行の始まりは市販品であるイモケムシでしたが、ワームにラバーを刺すだけというチューニングの手軽さから、多くの人が思い思いの「自作多毛系ワーム」を作って楽しみはじめました。
ガイドのゲストさまにも、ワームにラバーやティンセルを生やして持って来るお客さんが何人もいて、皆さん実に楽しそうです(^^)

…と言うか、4〜5年前は野尻湖アングラーの一部の方々による買い占め戦争が勃発しており、イモケムシは買えなかったので、必然的に自作せざるを得ない状況でしたね。笑
僕自身もいろんなワームにラバーチューンを施して使っていました。
ガルプやマックスセント素材でよく釣れたりすると、やっぱりスモールだなぁと思ったりしたものです。

曖昧なシルエット、ラバーの動きや微振動、微波動、エビっぽさ、フォールスピード、逃した後のストップ性能、吸込み易さや食感…
などなど、多毛系、多方向ラバー系ワームが釣れる理由はいろいろ考えられますが、どれもあると思います。
これらの複合によって最終的にバスが「食べよう」と思ってくれる場合もあれば、魚によってこれらのうちのどれかがバイトトリガーになっている事もあると思います。
いずれにせよ、多毛、多方向ラバーワームを自作する場合、↑上記のいずれかを意識しながら作る事が多いかと思います。

それでも十分ですが、ここで少しだけ、僕からワンポイント。
上記に加えて、多毛、多方向ラバー系ワームを自作する上でもう1つ、意識してみてほしい事があります。
それは「毛やラバーの抵抗値」です。(先述のフォールスピードやストップ性能に繋がる部分ではありますけどね)

多毛系、多方向ラバー系ルアーが釣れる理由をもう1つ挙げるとすれば「全身に毛やラバーの抵抗を纏っている事で、ラインの支配を受けにくい」という要素があると思います。(より大型のクジャラやコイケフルキャストなどのサイズ感の場合、ラインの支配云々以上にルアーパワーの横綱相撲感はありますが)
僕の場合はこれをベースにした上で、他の釣れそうだなと思える要素を組み込んだり、調整したりします。
この辺の、毛やラバーの抵抗が釣果に及ぼす影響については、「浮く虫ワーム」で考えてみると分かり易いですね。

水に浮く虫ルアー。これらのルアーにも必ずと言って良い程、毛やラバー等のパーツが付いていますが、その長さや太さ、硬さ、ボディーから生える角度や本数は様々で、素材もいくつかあります。
そして、ボディーも含めたそれらのパーツをどの程度の浮力を持たせて水中に入れるかで、ルアーが受ける水の抵抗に違いが出てそれぞれのルアーの個性が出ます。
仮に、ボディーが軽くパーツも水平方向に短くしか出ていない=「抵抗が小さい虫ルアー」と太めのラインを組み合わせた場合、ラインの支配を受け易く余計な動きが生まれてしまい、イマイチ釣れません。

特に↑上の写真のように、ラインを結ぶ際に締め込みの摩擦で癖がついてしまうと、最悪。笑
このラインの癖が悪さをする事で水に浮く虫ルアーが、ま〜〜余計な動きをして釣れ難くなります。
逆に、ノットに失敗してラインに癖が付いてしまっても、抵抗が大きめの虫ルアーの場合なら受ける影響が少なくなり、何とか誤魔化せたりします。

↑昨年6月に支笏湖のハルゼミパターンに初挑戦した際、活躍してくれたサンダルンがありました。
支笏湖の湖底は柱状節理の鋭角に切り立った岩盤が多く、大型のブラウンがヒットした場合でも主導権を渡したくありません。
よって、セレクトしたラインはPE0.8号に12ポンドリーダー。このクラスの虫ルアーに12ポンドリーダーは太いですよね。笑

実際、持ち込んだノーマルのサンダルンでは太いラインにルアーの抵抗が負けてしまい、イマイチでした。
しかし、圭一郎さんにお願いして頂いた太軸フック搭載サンダルンの中に1つだけ、ちょっと異質なサンダルンが混ざっていました。
それがこちら。↓

ボディーが太くて重め。そしてラバーが長い。
基本的にサンダルンはラバーが全て水中に入ってくれるので、長ければその分水の抵抗を受けてくれます。ラバーが長いとその分1本1本が広がってくれるので尚更ですね。シーアンカー的な役割りと言えるでしょうか。
太くて重めのボディーと相まってルアー全体の抵抗値が高くなり、12ポンドラインでもラインの支配を受けにくく、結果良いサイズのブラウンを騙して釣る事ができました。

捕食しているのがセミとしては小さく細いハルゼミですので、シルエット的にはあまりマッチしていませんでしたが、この時はラインを細くしたくなかったが故に優先事項は「太めのラインでも食わせられる事」でしたね。(基本的には8〜10ポンドで良かったとは思いますが)

このように、シルエットに対して抵抗が大きいルアーはラインの支配を受け難くく、それだけで釣れる要素の1つに成り得ると思います。
ルアーパワーが強くなると、その分太いラインも使えますしね。
ラバーや毛1本1本が抵抗であり、その長さや太さ、本数、向きによって抵抗値が変わり、その組合せにより、どの程度抵抗を持たせるか?ワームのどこに大きな抵抗を持って来るか?を調整する事まで考えると、より多毛、多方向ラバー系ルアーの自作が楽しくなるのではないでしょうか。

だいぶ定番化した多毛、多方向ラバー系ですが、まだまだ釣れてますし、特にスモールマウスを狙う手段としてはこれからも釣れ続くと思いますので、僕もまだいろいろ自作して楽しもうと思います(^^)

オマケ。
僕のコイケの収納方法はこんな感じ。100均でちょうど良いの売ってました笑
