ユニオンスイマーが狡猾ビッグバスの捕食本能スイッチを入れてしまう理由
世間的には現在フラッシュユニオンルアーの中で最も話題となっているのはこのフルメタルソニックでしょう。
しかし昨年、僕の中で最も衝撃的でまだまだ未知なる可能性を感じてならない、個人的マイブームとなったのはこのルアー。
はい、昨年10月頃に発売されたユニオンスイマーです。
このルアーの特徴は、まずスイムベイトでは今までほとんど存在しなかったフローティングである事。巻いたりジャークさせると潜ります。
そしてジャーキングする事で、お腹を上に向ける程の完璧なるヒラ打ちを伴うダートを繰り出せる事。
デッドスローリトリーブでも特殊形状&ソフト素材のテールが水を掴みきちんと動く事。
この3つを併せ持つ事が、今までスイムベイトで獲る事が出来なかったバスを獲れる事に直結します。
「スイムベイトは巻きで食わせる物」という概念はまず捨てましょう。
巻きで食わせられないバスを食わせられるんですから。
上記の3つを挙げただけで
「カバーやウィードパッチの向こう側にキャストして、水面直下をデッドスローリトリーブ。そしてカバーを通過する瞬間にジャーク!」
もしくはバスが追ってきて食いそうな時にジャーク!
背針、シンキングチューンをして、ボトムや岩影に隠して、バスが見たらジャーク!
・・・といった、いかにも効きそうな使用法が頭に思い浮かびますね。
この「ジャーク」ですが、ユニオンスイマーのジャークによるダートアクションは、どんなにスレて狡猾なバスでも必ず持っていて逆らえない本能である「捕食スイッチ」を強烈に入れるパワーを持っています。
それは何故かと言うと、完璧なヒラ打ちを伴うダートアクションという視覚的本能引出し要素と、ジャーキング時にシャッドテールが作り出す「キックアクション」という波動による本能引出し要素を2つ同時にバスの視覚と側線(水中を伝わる振動を感じ取る器官)に叩き込む事が出来るからです。
このキックアクションとは、小魚が逃走する時に発生するピッチが速く瞬発的な強い波動です。
スピナーベイトのブレードや、一部のシャッドやミノーをジャーク(リッピング)した際に生まれる波動がこれに当たります。
その理由はジャークベイトとスピナーベイトのブレードに共通する波動「キックアクション」によりスイッチが入るからに他なりません。
S字系ビックベイトを使い、デッドスローリトリーブ中にバスが現れて食いそうな距離になったらジャーク・・というのは皆さんご存知のテクニックですが、ユニオンスイマーのジャークは、そのS字系ビックベイトをジャークさせた瞬間にスピナーベイトのブレードの波動を瞬発的に加えたような物です。
S字系ビックベイトのダートは、そのボディーの大きさも手伝って視覚的にスイッチを入れる力は素晴らしいのですが、波動が伴わないんですね。
ダートとキックアクションを1つのルアーで両立させる事は難しいものです。
ユニオンスイマーの場合ダートの飛び幅はS字系ビックベイトには及びませんが、それでも十分です。
逆に、ルアーがターンする程のダートはこのスイッチを入れる釣りには必要がないと考えています。
と、ここまで書くとユニオンスイマーのジャークは、「ダートもするけど同時に瞬発的なキックアクションも出してくれる一部のミノーやシャッド(ジャークベイト)のジャーキング」と、似ている事が分かります。
ユニオンスイマーはデカいジャークベイトなんです。
ちなみに名作スーパースレッジのようなダート特化型のジャークベイトは水中を滑るように飛ぶため、これには当てはまりません。
同じジャークベイトでもその類のルアーは少し別物です。
名作スーパースレッジは、発売から時間が経った今でも、桧原湖&野尻湖のスモールマウスに激効き。本能には逆らえない部分があるのでしょう。
スモールマウスはジャークベイトが大好きです。
ユニオンスイマーのそれとはまた少し違いますが。
しかし当たり前ですがユニオンスイマーとジャークベイトにも大きな違いがあります。
それはもちろん、ソフトベイトならではのデッドスロー~ノーマルリトリーブ時のナチュラルさと、見た目のリアルさです。
ユニオンスイマーはボディー内部が硬く、外部とテール部分が柔らかいインナーコア構造の採用により、ボディーの強度を保ったまま、デッドスローリトリーブやドリフトでも特殊形状のテールがしっかりと水を掴み動かす事に成功しています。
このシャッドテール、ジャーキングの激しい動きを加えた時以外は極めてナチュラル。
無警戒の小魚が泳ぐようにボディーをほとんどロールさせる事なくテールのみが静かに動きます。
ノーマルリトリーブ時の極めてナチュラルなスイミングからの、ジャーキングにより強烈にバスの捕食スイッチを入れる能力。
この極めてナチュラルなスイミングがあるからこそ、ジャーキング時とのギャップがより際立ち、尚且つ警戒されにくく、普通のジャークベイトで釣れるサイズよりも明らかにデカいバスが食ってくる秘密だと思います。
無警戒に泳ぐ小魚が一転、突然逃走に転じる様子を視覚的にも波動的にも演出出来ます。
ただ歩いているだけでは特に興味を示さないものの、それが突然背中を向けて逃げ始めると、本能的に追い掛けて捕えてしまうヒグマと一緒ですね。
ここまで、バスの捕食スイッチを入れる「ジャーキング」について書いてきましたが、ポッパー的に使うのもユニオンスイマーの面白い使い方。
ポカーンと水面に浮かしておいて、軽くトゥイッチ。
すると、テールが空気をはらんで「コポン」と良い音を出して若干潜ります。
そのままラインを緩めて水面まで浮上させて、再びトゥイッチ・・・。
これをオーバーハング下等でやってみて下さい。
浮いてきて食います。
もし、バスが見に来るのが見えれば結局ジャークで食わせる事にもなりますが(笑)
ちなみに、東京湾のシーバスガイドの皆さんは、ユニオンスイマーのドリフトでビックシーバス激爆釣してるようです。
最後に、既に皆さんご存知かとは思いますが、ユニオンスイマーはフックホールドシステムによりボディーにフックを刺す必要がないためルアーの寿命が非常に長い事を付け加えておきます。
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